私はそれまでまだ20キロまでの大会にしか出たことが無く、
同じく練習でも20キロまでしか走ったことがなかったのに
60キロの四万十川ウルトラマラソンに出場することを決めてしまった変人です。
初マラソンがフルマラソンの42.195km以上という無謀なものでした。
なぜ挑戦しようと思ったのか、また、参加を決めてから出場までどう練習して、
結果、完走することが出来たのか?
同じような事を考えている変人の方にこの記事をお送りします。
変人が私だけではないと信じて。汗。
目次
1・いきなりウルトラマラソンを完走することが出来る?
結論から申し上げます。
フルマラソンを走ったことが無くても、60kmウルトラマラソンは完走出来ます。
なぜなら私が実際に完走することが出来たからです。
しかも体重が80kg近くあっても完走出来ました。
3kmすら走るのが嫌いだった私が完走することが出来たのです。
皆さんにも出来ますよ。
※3km走るのも嫌でしょうがなかった私が楽しく走れるようになった方法
1-1・ウルトラマラソン60kmに参加を決めたのはなぜ?
当時の私は、冒頭にも書きましたが、
大会といえばローカル駅伝の数キロの距離や、10キロの大会、
長くても20キロの大会に1・2度しか出場していない
初心者に毛が生えたくらいのレベルでした。
もちろん良い結果など出ていません。
ただ、練習は10kmをジョグペースですが週に4~5日は走っていたので、
練習量としてはそこそこ出来ていたと思います。
ランニングの会にも入っていて、会の先輩に良くしてもらっていたのですが、
一緒に練習していて突然、
「今年四万十の100kmマラソンに出るんだが、
60kmの部もあるからお前も出てみないか?」
「面白いぞー。ゴール前なんか応援がスゴいし。ほんとにいいぞー。」
って誘われました。
えっ? ろ、60km???
フルマラソンはおろか、30kmも練習で走ったことが無いんですけど・・・。
「いや、大丈夫、大丈夫。やれるって。」「俺もやれたんだし。」
そうなんですかねぇ。と思いつつやれるのか?という思いの反面、
でも面白そう。完走出来たらすごいよなぁ。という気持ちが湧き上がってきました。
もともと人が出来ないような事をしたがるところがあるため、
そのポイントをくすぐられてしまったわけですね。
もうそうなると「やれるのか」という不安よりも
「よし、絶対やってやる」という強い気持ちが出てきます。
なぜだか不思議とスポーツでは根拠の無い自信を持っているんですね。汗
こうやってあまり悩むこともなくやってみたいというだけで出場する気持ちが
固まったのです。単純です。汗汗
1-2・60kmウルトラマラソンに出るためにやったことは?
これ、実は特別なことはなにもやっていません。
普通に今までどおり週4~5日10kmを走ったのと、
20kmを週末に走って、一度か二度くらい25kmを走っただけです。
ウルトラマラソンはペースが遅いので特別な練習は必要ないのです。
完走目的なら1km6~8分の間で自分に合ったペースで走ればいいのですから。
そういう意味では制限時間の厳しいフルマラソンに出るよりも
初心者にとっては参加しやすいです。
実際私は60kmを無事完走しましたが、
そのあとに出場した初フルマラソンで途中関門の制限時間でひっかかり
完走出来ませんでした。
1-3・レース中や終わってからなど体はどうだった?
四万十のレースは序盤に峠越えがあります。
初めて走った私は「 これで峠 ? 山越えじゃん ! 」と思いましたが、
それでも四万十は楽なコースに分類されると思います。
こういう難関があるのがフルマラソンとウルトラマラソンの違いですね。
初めてウルトラを走る人にとっては大幅に体力を奪われ、足にダメージを受けます。
私もその一人で、登りであまりペースを落とさずに走ってしまったため、
足にいらない負担がかかってしまい、峠を降りたあとには
しっかりダメージを受けてしまいました。
キロ6分~6分半くらいで走っていたのがガタ落ちとなり、行程の半分いくまでに
かなりペースが落ちました。
その後も足はどこもかも痛いしマメはつぶれるし、ボロボロです。
体力も使い果たした状態だし、
あと行程3割となった時点で、もうすでに「気力で走るのみ」となっていました。
残りの行程は、途中歩いたり屈伸したりして体をごまかして
そのままなんとかゴールまでたどり着きました。
キロ4分~5分で走り切れる化け物のような方たちなら違うかもしれませんが、
走るペースが遅いのでゼーハー息がみだれたりすることはありませんので、
ゴールしてそのまま倒れこんでハーハー言うみたいなことにはなりません。
ただただ疲れた、足が痛い、足が動かない、という状態になります。
このへんもフルマラソンとは違うところですね。
体はそんなボロボロ状態ですが、
心は達成感でおもいっきり満たされます。
2・ウルトラマラソンって楽しいの?
そんなにしんどい目や痛い目にあって、ウルトラマラソンって楽しいの?
と思われると思います。
はい、楽しいです。
人によってちがうとは思いますが、私はとても楽しかったです。
・景色を見ながら気持ちよく走れたこと、
・他のランナーは全く知らない人なのに、
同じゴールに向かって走っている仲間だと一体感を感じたこと、
・自分の体と対話しながらいろいろ考えてゴールまで辿り着かせれたこと、
・それとは反対にただただ無心に足を運んだこと、
しんどかったけど色々なことが楽しかったです。
なにより素人同然の自分が
フルマラソンよりも長い距離を走りきることが出来たという嬉しさと
今まで味わったことの無い達成感が、
ゴール後の自分を待っていました。
2-1・ウルトラマラソンの魅力とは?
マラソンを走った人が言っていることを聞いたことがあるかもしれませんが、
「走っている間はなんで自分はこんなしんどいことやっているんだろう?
もうやらないぞ。と思うんだけど、
不思議とまたやりたくなるんだよね。」
という言葉を耳にすることがあります。
この感覚は、非常に長い距離を走った人の中でも
かなり多くの人が体験することだと思います。
ウルトラマラソンは、この感覚がフルマラソンと比べても大きいと思います。
四万十のレースでも、
「今回3回めのチャレンジだったけどまた完走できなかったよ。来年こそは!」
なんて言葉を他のランナーが話しているのを聞きました。
これだけしんどい目に何度もあっているのにまたチャレンジしたくなる、
またやりたくなる、
そういう中毒になるような魅力があるのです。
フルマラソンを超える距離を走るという
通常では考えられない大きな目標に挑戦すること、
それに対するやりがい、達成出来なかったときの悔しさ、
達成したときの他には無いような非常に大きな達成感、
それと大会サポートや沿道のあたたかい応援、
このあたりが、またやりたくなる理由と魅力なのではないでしょうか。
2-2・ウルトラマラソンに挑戦するときの注意点
もし挑戦してみたいと思ったら、次の点には気をつけましょう。
2-2-1・ちゃんとベースの力は付けて参加しましょう
私は大会に出る前に特別な練習はしなかったと言いましたが、
スポーツや運動の経験のない方がちょっと練習して完走できるほど
簡単なレースではありません。
ある程度の筋力、特に足の筋肉は必要です。
私の場合もマラソンを始めるまでにずっとスポーツをしてきていて、
筋力がしっかりある状態がベースにあって挑戦しています。
少なくとも途中で足が痙攣して動けなくなる、
そうならない程度の地力は付けてからの参加をおすすめします。
2-2-2・できることならば次の日も休みを確保しましょう
これは参加したら分かることですが、次の日の仕事に多大な影響が出ます。
ウルトラに限らず、
フルマラソンやトライアスロンなどでも限界まで自分の力を出し切ると
次の日は体がボロボロになります。
ある程度参加を重ねて慣れてくるまでは
筋肉痛やつぶれたマメが痛いなど、まともに動けなくなります。
デスクワークなどでしたらあまり影響はありませんが、
体を使う仕事だと大変です。
理解のある職場ならいいですが、
仕事仲間から「仕事に影響が出るなら大会になんか出るな!」、と
怒鳴られることにもなりかねません。
もし余分に1日休みがもらえるなら、もらっておいた方が無難でしょう。
2-2-3・レース後の移動手段の確保
誰かと一緒に来ていてレースが終わった後運転してもらえる、
というのであれば良いのですが、
一人で参加していて自分で運転して帰る、というのであればかなり危険です。
ゴールは夜になりますし、
限界まで体を酷使していますので運転どころではないと思います。
運転者を確保しておくか、宿泊して体を休めてから翌日帰るか、
無理のないように計画して参加しましょう。
3・まとめ
ウルトラマラソンとは42.195kmを超える距離のマラソンを指します。
80kmや100kmとなるとまた難易度は変わってきますが、
50kmや60kmのレースならしっかり体のベースを作ってのぞめば
フルマラソンの経験が無くても充分完走することは出来ます。
スピードも制限時間の厳しいフルマラソンよりもゆっくりなので
挑戦、完走しやすいですし、
フルマラソンより先に走れば距離への不安はなくなります。
なんせもっと長い距離を先に走れたのですから。
このへんを考えるとフルマラソンより先にウルトラマラソンを経験するのは
おかしいことではなく逆にメリットがあるとすら思えますね。
皆さんもこの記事を読んでやってみようかと思ったら是非参加してみてください。
よい経験になると思いますよ。